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認知症の日の寸劇が出来るまで②

だいぶ更新してなくてすいませんー。みかです。
稽古の振り返りの続きです。

3日目:9月30日(日)夜
この日は台風の日でした。
交通機関がマヒするといけないと思い稽古をキャンセルしようか…と思っていたところ、
あお&きずみんの「稽古しよう!」という熱いメールに励まされ稽古した日でした。

この日は、認知症の人とその家族のインプロを2パターンやりました。
どちらも、認知症の人が、家にいるのに家に帰りたがるというシーン。

1パターン目は、家族が認知症の方への適切な対応を知らない場合。
2パターン目は、家族が認知症の方の世界観に入ろうとした場合。

1パターン目は…やっていても見ていても辛かった…。
家族役の人は、良かれと思っているのに、正しいことを言っているのに、
全然聞き入れてくれないし、どんどん不安にさせてしまう。
認知症の人の役も、不安だしイライラするし怖いし、
こんな危ないところから早く逃げなきゃ、早く家に帰らなきゃという気持ちが強くなってしまう。

2パターン目は、ちょっと辛くて不安だけど、お互いの心の状態がガラッと変わりました。
家族役の人は、今認知症の人はどんな世界にいるのか探るのが大変でしたが、
色々試行錯誤をして、世界の入り口を見つけようとしました。
認知症の人の役も、何となく、この人は知らないけど悪い人じゃないかも、
ここはどこだかわからないけど、ここにいていいかもと思えました。

そう簡単にはいかないけど、やはり対応によって反応は違う!
だって心の状態が全然違うんだもん。
自分がいる世界を真っ向から否定されたら、たとえそれが正しくても、混乱するのは当たり前。
そりゃそういう人が嫌だと思うし怖いと思う。

だから、認知症の人に対して、単に「親切にすればいい」わけじゃない。
現実とか常識とかの上に立ったまま親切にされたって、
覚えていないからわからないし、とにかく不安で怖い。

このような実感を得ることが出来たインプロでした!
いやー頭で想像するよりもずっと、やってみれば実感できるね!

知識を得るには、本を読む、話を聞くことは有効だけど、
実感を得るには、インプロはとっても有効だと改めてわかりました。
役だからホンモノではないけど、そこで生まれる感情はホンモノですから。

台風でも稽古してよかった日でした。

4日目につづく…


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